
泉岳寺から青い新型の京急、1両目に乗った。腰掛けると後方からバタバタバタと少年と父親らしき人が走ってきて「やったー」と一番前の席を陣取った。暫くするすると母親らしき人がやって来て「カッコイイネェ」と2人に話しかけ背もたれから運転席を覗いた。「ねぇ、あれ車掌さんに見せてあげなよ」と母親が言うと、少年はバンザイと京急のプラレールを高く掲げ、父親は父親で立ち上がって運転席を凝視し「○○がふたつ付いてるぞ」と叫ぶ。「カメラ持ってくれば良かったねぇ」と母親が心底惜しそうな声でいう。
品川駅に着くと、今度は1両目のやや前方にしゃがんでスタンバってる新たなファミリー京急ファンがケイタイのカメラをこちらに向けている。母親が息子に手を振るよう指示していて、少年が手を振ると運転手さんはそれに応えて手をふり、汽笛を一回小さく鳴らした。それはもう中のファミリーも外のファミリーも大喜び。「京浜急行の車掌さんはやさしいね!」最前席の親子も大はしゃぎ。
ファミリーに気を取られていたが、反対側の最前席の男性2人も前方の窓に怪しいくらいかぶりつきで、こちらも京急ファンと見受けられた。
降りようと席を立つと「どうする?川崎で降りるの?横浜まで行く?」と母親が少年に詰め寄っていて、少年は「うー…ん、横浜!」と答えていた。
最前席が好きなボーズ…今までだって、電車大好きの少年たちと少々小競り合いながらその席に座っていたのに、これからこの闘いは白熱してゆくのだろうな、と1両目の先頭席を眺めるのであった。